中小企業金融円滑化法の施行により、経営改善計画書が作成されていなくても、金融機関に対する約定返済(元金)を1年程度、ゼロにすることが可能になりました。
もっとも、金融機関に事情説明せずに返済猶予というわけにはいきません。最低限、資金繰り表は提出する必要があるでしょう。その際に気をつけたいのは、「返済猶予を受ければ資金繰りを回せること」「業績が改善する見通しがあること」について、しっかり伝えることです。返済猶予を受けても会社の見通しが立たないということでは、逆に返済を求められることもあるからです。
その上で、返済猶予についてスピーディな対応を金融機関に要請する必要があります。なぜなら、金融機関が審査している間にも約定返済は進み、手元資金が減ってゆくからです。毎月の約定返済額が大きい場合、1カ月分の返済が命取りになることもありますから、この点は重要です。
1.意思表示を明確にする
返済猶予の申入れが曖昧だと、銀行の担当者に話をはぐらかされ、いつまでたっても手続きが進まない、といったことが起こります。そこで、いつから猶予を受けたいかを明示した下記のような依頼書を提出します。このような書類を提出すれば、担当者は申入れを放置できなくなり、確実に手続きが進みます。

返済猶予依頼書の文例
ダウンロードはコチラ(ワード文書)
http://homepage3.nifty.com/juncfo/hensaiyuuyo_bunrei3.doc
※あくまでも「参考」としてお使いください。
※文例は「中小金融円滑化法に基づく返済猶予のお願い」ですが、日本政策金融公庫は同法の対象外です。こういった文書を提出しても特に支障はないと思いますが、一応、注意してください。
2.状況に応じて、合意の上、延滞する
資金繰りの状況によっては、金融機関と条件変更契約を締結する前に返済を止めることが必要になります。この場合、一時的に返済を延滞することになりますが、技術的には、返済猶予の承認が降りた後、延滞開始日まで日付をさかのぼって変更契約を締結することも可能です。金融機関に資金繰りがひっ迫していることを熱心に説明すれば、通常は理解が得られ、「仕方がないので、今月分は一旦延滞しておいてください」と言われることも少なくありません。ただし、後日、変更契約を結ぶ際には遅延利息を請求されます。また、返済を止めることに合意していない金融機関に対して延滞すると、会社と連帯保証人の預金口座がロックされることがありますので注意を要します。