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中小企業白書には
「具体的な経営計画の作成は、金融機関からの円滑な資金調達に効果がある」と毎年のように書いてあります。
これは諸々のデータが証明している事実です。
そして、この傾向は年々強まっています。実際、経営計画書が評価されることにより債務超過の中小企業がニューマネーの融資を受けたといった事例も珍しいものではなくなりました。
背景として、(1)主に政府系金融機関が「ビジネスプランが的確であれば融資をします」といった融資制度を拡充していること、(2)経営改善計画書等の策定が金融検査マニュアルの債務者区分のポイントになったこと、などが考えられます。
いよいよ中小企業経営でも、経営計画、ビジネスプラン、といったツールが常識になりつつあるのです。
しかし実際の経営現場を見ると、ほとんどの中小零細企業は経営計画書を作っていません。
仮に作っていたとしても、銀行からお金を借りる時だけで、借入手続きが完了すれば、そこで役目はおしまいです。
経営計画書は、ほとんどの会社でまだまだ形式的なものに過ぎないのです。
私は、中小企業に経営計画が根付かないのは、経営者が「管理会計」を真剣に考えていないからだと考えています。
経営計画書を作らない、作れないということは、その会社が管理会計を実行していないということに他なりません。
経営計画書は、管理会計で経営をしている会社であれば、当然に作成されるものだからです。
管理会計を実践する会社は、経営計画書を作成するための特別な時間を必要としません。経営方針や数値計画といったものはは、毎月シミュレーションされ、社長自身が常時大枠を把握しています。
ですから、経営計画書の作成は、後づけのペーパー化に過ぎないのです。
言うまでもありませんが、本当に大事なことは、ペーパーの有無ではなく経営が変わるかどうかです。
経営は経営計画書を作る時ではなく、毎月、毎日変わるのです。
管理会計の仕組みを考えないで経営計画書を作成しても、ほとんど意味は無いということを理解してください。
管理会計について、もう少し詳しくお話します。
私がお付き合いさせていただいている会社の全てが管理会計に取り組んでおり、どの会社でも試算表や決算書とは異なる集計フォームを作成しています。(税理士さん任せで作った試算表は、残念ながら役に立たないのです)
しかし、極端に難しい計算をやるわけではありません。管理会計にレベル5まであるとすれば、レベル1〜2くらいのことです。
具体的には、次のような内容をできるようにすることです。
<管理会計で実現すべきこと>
●当月の売上高と原価(率)、粗利(率)を月末に把握できる
●当月の理想的売上高、損益分岐点売上高、キャッシュフロー分岐点売上高がそれぞれ分かる
●前月の粗利の過不足について、製品別・取引先別採算等の販売データから原因分析できる
●当月の売上の組み立て方を月初にイメージできる
●固定費の内、重点管理科目を1〜3つ程度に絞込み、毎月チェックできる
●当月の売上高と利益が資金繰りにどう影響するか分かる
●収支ズレ(売掛・在庫・買掛の増減)を発見できる
●このままいくとどういう決算になるかが分かる
貴社の「集計フォーム」が、上記の内容を満たしているかチェックしてみてください。
これだけでも、社長の直感的判断や感情的判断はかなり是正されます。そのことは社長ご自身が一番分かっているはずです。
そして、管理会計は、続ければ続けるほど社長の思考にマッチするものに変わっていきます。
スルメイカのように、後からじわじわと味が出てくるものなのです。ですから中長期的な視点をもって途中で挫けないことが大事です。 |