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貸し渋りで苦労する会社は、必ずと言っていいほど、特定の銀行に資金調達を集中させているものです。
こういう会社がピンチに陥るのは、大体、次のようなパターンです。
(メインバンクA銀行のケース)
A銀行との一行取引、または借入がA銀行に集中
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会社側の業績悪化
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A銀行の方針が急に変わる ← A銀行側の業績悪化
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A銀行より、新規貸出停止、短期借入の期日返済要求、
手形割引拒絶、金利引上げ、追加担保要請、等がある
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他の銀行に借入を申し込むが、どの銀行も「A銀行の
方針がはっきりしないから」という理由で、融資して
くれない。(保証協会も新規保証について同じ返答)
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リスケジュール等の後向きな方法しか選択がなくなる
中小企業のとって、一行取引や集中取引の最大のデメリットは、このような新規資金調達のリスクです。
特定の銀行と強固な関係を作ったほうがいい、という考えもありますが、それは銀行の方針が将来も変わらない場合だけです。そんなことはあり得ませんから、デメリットの方の大きくなるのです。
また、この考え方は年商1〜2億の小さな会社でも同じです。一行よりも二行との取引を目指すべきです。これは大原則です。
では、とにかく複数銀行に取引を散らせばよいのか、というとそうではありません。
実は、複数行取引で最も重要なポイントは、準メインバンクを作れるかどうか、ということにあります。
上記の例でいうと、次のような複数行取引をやっても結果は一行取引の時と同じで、うまくいきません。
借入残高
A銀行 170
B銀行 10
C銀行 10
D銀行 10
この残高構成では、B銀行以下の銀行が、この会社に積極的に関わる理由はありません。A銀行の貸し渋りで苦しいなら一刻も早く10を返せ、となるわけです。
一方、借入の合計が同じでも次のような残高構成になっていると、状況は変わります。
借入残高
A銀行 100
B銀行 80
C銀行 10
D銀行 10
これならA銀行が貸し渋ってきても、B銀行が貸してくれる可能性があります。そして、A銀行もB銀行の貸出姿勢を見て、追加融資をやりやすくなります。
このようなB銀行の準メイン機能を活用するには、日頃から積極的にコミュニケーションして、信用を獲得しておく必要があります。
具体的にはB銀行と、A銀行以上に本音で付き合うのです。A銀行が残高メインバンクならB銀行は心情的なメインバンクと考え、B銀行にもそのことを認識してもらうのです。この準メインバンク体制が完成していれば、守りの堅い会社、ということになります。(会社の規模によっては、準メインをもう一つ増やすこともあります)
なお、C銀行やD銀行という下位行戦略も重要です。すぐに借入申込みができる窓口が多ければ多いほど、会社は安全だからです。下位行の開拓は、業績のよい時に済ませておきましょう。
もう一つポイントを付け加えるとと、やはり業績のよい銀行と付き合いましょう、ということです。
私が見て「これは、ひどい」というケースのほとんどは、破たん直前の銀行がとった対応です。
これは相手の人間性の問題ではありません。システムとしてダメなものはダメなのです。経営者には、こういう冷めた目が必要です。
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