リスケジュール(リスケ)・銀行交渉・資金繰り健全化コンサルティングに数多くの成功事例を持つ経営コンサルタント安田順コラム
「会社再建イロハのイ」(毎月更新)

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取引銀行の構成 (2005/08)

貸し渋りで苦労する会社は、必ずと言っていいほど、特定の銀行に資金調達を集中させているものです。
  
こういう会社がピンチに陥るのは、大体、次のようなパターンです。
  
 (メインバンクA銀行のケース)
    
   A銀行との一行取引、または借入がA銀行に集中

          ↓
 
   会社側の業績悪化

          ↓

   A銀行の方針が急に変わる ← A銀行側の業績悪化
     
          ↓

   A銀行より、新規貸出停止、短期借入の期日返済要求、
   手形割引拒絶、金利引上げ、追加担保要請、等がある

          ↓

   他の銀行に借入を申し込むが、どの銀行も「A銀行の
   方針がはっきりしないから」という理由で、融資して
   くれない。(保証協会も新規保証について同じ返答)

          ↓

   リスケジュール等の後向きな方法しか選択がなくなる
  
   
中小企業のとって、一行取引や集中取引の最大のデメリットは、このような新規資金調達のリスクです。
   
特定の銀行と強固な関係を作ったほうがいい、という考えもありますが、それは銀行の方針が将来も変わらない場合だけです。そんなことはあり得ませんから、デメリットの方の大きくなるのです。
  
また、この考え方は年商1〜2億の小さな会社でも同じです。一行よりも二行との取引を目指すべきです。これは大原則です。
  
  
                    
  
では、とにかく複数銀行に取引を散らせばよいのか、というとそうではありません。
  
実は、複数行取引で最も重要なポイントは、準メインバンクを作れるかどうか、ということにあります。
  
上記の例でいうと、次のような複数行取引をやっても結果は一行取引の時と同じで、うまくいきません。
   
        借入残高
   A銀行   170 
   B銀行    10
   C銀行    10
   D銀行    10
  
この残高構成では、B銀行以下の銀行が、この会社に積極的に関わる理由はありません。A銀行の貸し渋りで苦しいなら一刻も早く10を返せ、となるわけです。

一方、借入の合計が同じでも次のような残高構成になっていると、状況は変わります。
  
        借入残高
   A銀行   100 
   B銀行    80
   C銀行    10
   D銀行    10
  
これならA銀行が貸し渋ってきても、B銀行が貸してくれる可能性があります。そして、A銀行もB銀行の貸出姿勢を見て、追加融資をやりやすくなります。
  
このようなB銀行の準メイン機能を活用するには、日頃から積極的にコミュニケーションして、信用を獲得しておく必要があります。
  
具体的にはB銀行と、A銀行以上に本音で付き合うのです。A銀行が残高メインバンクならB銀行は心情的なメインバンクと考え、B銀行にもそのことを認識してもらうのです。この準メインバンク体制が完成していれば、守りの堅い会社、ということになります。(会社の規模によっては、準メインをもう一つ増やすこともあります)
  
なお、C銀行やD銀行という下位行戦略も重要です。すぐに借入申込みができる窓口が多ければ多いほど、会社は安全だからです。下位行の開拓は、業績のよい時に済ませておきましょう。
  
  
                     
もう一つポイントを付け加えるとと、やはり業績のよい銀行と付き合いましょう、ということです。
   
私が見て「これは、ひどい」というケースのほとんどは、破たん直前の銀行がとった対応です。
   
これは相手の人間性の問題ではありません。システムとしてダメなものはダメなのです。経営者には、こういう冷めた目が必要です。

 

リスケジュール、銀行交渉で資金繰りを改善。「強い会社」へと生まれ変わる。

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