リスケジュール(リスケ)・銀行交渉・資金繰り健全化コンサルティングに数多くの成功事例を持つ経営コンサルタント安田順コラム
「会社再建イロハのイ」(毎月更新)

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債務者区分の境界性を押さえる(3) 〜 実質債務超過の解消年数 〜資金繰り編〜 (2006.08)

破綻懸念先とみなされた企業は、銀行にとって今後融資を行う可能性がほとんどない取引先であり、その後は回収一本の督促を受けることになります。
この場合、同時に銀行の担当窓口を回収専門のセクションに変えられてしまうことも多いようです。

 経営難に陥った企業が破綻懸念先に区分されないためのポイントは次の4点です。
1.実質債務超過を5年以内に解消できる実現可能性の高い経営改善計画書を作成していること
2.債務超過の解消に5年以上要する場合でも、10年以内に解消でき、計画に対して売上、利益を8割以上確保していること
3.全ての金融機関が経営改善計画書に沿った支援に合意していること
4.金融機関から債権放棄を受けていないこと

 上記の要件を満たせば破綻懸念先に該当する企業でも要注意先として扱われます。(これをセーフ・ハーバールールと言います)

 ここで言う債務超過とはバランスシートに記載されている表面金額ではなく、下図のように資産と負債を修正した実質金額のことです。

 実質債務超過額の把握は、資産項目の減算計算が中心になります。例えば、回収不能の売掛金をゼロに直したり、不動産(営業用資産を除く)や有価証券を時価評価して差額を修正します。つまり、いずれは特別損失として計上するものを今の時点ではき出してしまうわけです。
 
 負債の部でも延滞税などの簿外債務を加算したり、返済予定のない役員借入金を自己資本に振り替え計算したりしますが、メインになるのは資産の洗い直しです。
 
 これらの作業を最近はデューデリジェンスと呼びます。金融機関側から精緻なデューデリを要求される場合は、公認会計士等の外部専門家にお願いすることになりますが、中小企業にとってはコストがかかりすぎるという問題があります。

 そこで、通常は顧問の税理士さんなどと相談して簡易なデューデリを行い、結果を経営改善計画書に織り込むことになります。ほとんどの場合、これでも十分に銀行交渉は可能です。

 実質債務超過の解消に何十年もかかってしまうような場合は、清算スキーム、担保や保証人の問題、債務免除、サービサー対応等について考える「全く別の視点」が必要になります。こういった点についても、今後少しずつ解説していきます。

※ブログの方でも順次解説していく予定です。
→ http://blog.livedoor.jp/yasudakeiei/

 

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